大晦日ってロマンがありました。
昔は、夜遅くまで起きていていい日は大晦日だけだった気がします。
起きているうちに日が変わるというのに斬新な感覚があったものです。
私の中の大晦日の思い出を少しお話しします。
私は一時期ディズニーランドでお仕事をしていたことがありました。
毎年がカウントダウンパーティーで羨ましいと思われる方も多いのですが、仕事をしている方としてはそれどころではないのです(笑)
私はとあるアトラクションでお仕事をさせていただいていたのですが、カウントダウンの日にはカウントダウンパレードというものがありまして、そこに配置されることがあります。
もう20年ほど前の話ですが、カウントダウンパレードを見るために1ヶ月前から舞浜の駅の横で列を作って待っている方々がいました。
公式に作られる列ではなく、常連の方々がそこで列を作っているのですが、まぁなんて言いますか、結局は入場するための列ですので、前の日から待っていても1ヶ月前からでも列は列ということなのでしょうか。
しかし、一応駅の敷地内(だと思われます)にテントを張って待っていらっしゃるのがいいことなのか法的に良くないことなのかまでは当時はあまり気にしていませんでした。
しかしなぜ1ヶ月も前から・・・
と思うかもしれません。
カウントダウンパレードは入場者に対して見ることができる人数がとても少ないのです。
それはパレードの通り道を見ればなんとなくわかっていただけると思います。
その中でもミッキーが止まるポイントというのはさらにごく僅か、さらにそこの一番前で見たいとなると・・・
そうなってしまっていたのですね。
毎年、私はそれを風物詩であり他人事のように見ていました。
しかし、ある年に私は「坪井さんはこの地点のゲスト案内とインフォメーションをお願いします」と言われて見てみると・・・
そのミッキースポットだったのです(笑)
とても怯えました。
そのポジションの凄まじさを噂には聞いていたので、戦々恐々としていました。
そして運命の開園時間。
その凄まじさを目の当たりにすることになるのです。
全力ダッシュで私の目の前のポジションを取ろうと走ってくる人々。
通常園内は走らないでくださいと必死に言うのですが、もうそれでは止まらないのです。
ナウシカのあの状態です。
王蟲の目は真っ赤なのです。
そして、まさにあの状態です。
先頭の人が転んでしまったのを目撃した瞬間、その方は人の煙の中に埋もれていきました。
そう、こんな状態です。
今も昔も、あの光景より恐ろしいと思ったのは大震災の時に豆腐のように揺れているビルを目の当たりにして心底恐ろしいと思った時くらいです。
そして、その人の波は私の目の前で止まり、ものすごい速さで宴会用のブルーシートを広げていきます。
いつもの可愛い4-5人が座れるようなお弁当用シートではないのです。
毎日変わりばんこでテントに寝泊まりして勝ち取ったポジションはまさにチームプレイなのですね。
本来はブルーシートでの場所としはご遠慮いただいているのですが、そんなことまだほとぼり冷めきらない方々に発する言葉としてはとてもじゃないけど適切な言霊ではないと思いました。
しかし、場所が取り終わればみなさん楽しみにしている他の方々と基本的には何も変わらず、楽しく時間までお話をしたりして待っていました。
大晦日、紅白歌合戦を見たり、ゆく年くる年でほんわかしている裏側ではこんなバトルがあるんだなと痛感しました。
皆様はどんな大晦日をお過ごしになる予定ですか?